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不遇な時代

なんてことはない。

ただ殴り書きがしたくなっただけだ。俗に落書きとも言うが、そんなことはどちらでもいい。

うる覚えの記憶にいた彼女の話をしたくなっただけだ。

お化け屋敷でアルバイトをしていた頃の話だ。

昔は、良かったなどと思いながら、灼熱の夏も乗り切るのだろうと変わらない日々を過ごしていた。

彼女はお化け屋敷でアルバイトをしていたが、親には、

「ディズニーランドでミッキーマウスをやっているの。」

と伝えてあった。

「屋敷内は暑いから、そのままでもいいよ。」

と園長に言われたが、

被り物なしでお化けのクリーンアップを打てる彼女も、もう28歳だった。

親には、

「もうそろそろお見合いでもしてみたら?」

と言われたが、気が進まなかった・・・。

それは、お化けをやっていることが嫌いではなかったからだ。

だが、誰からも愛されることのないキャラクターだということも気づいていたのだろう・・・。

お化け屋敷の中で一度も怖がらなかった客がいないことを気にしていないわけではなかった・・・。

いつも騎乗位のように気丈に振舞っていた彼女だったが、家に帰るとMr.childrenを聞きながら、時々、涙を流しているのだと、切符係の友達は言っていた。


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